シャンシャンとの出会い

2017年の6月、ニュースが流れる。

上野動物園ジャイアントパンダの赤ちゃんが誕生。」 

 

ふーん、と思った。

動物は好きなほうだけど、

パンダには特に興味もないし

パンダのキャラクター物もなんとなくダサいと思っていて、

「日本人はパンダが好きよのう」

と斜に構えていた。

 

パンダの赤ちゃんのことは特に気にせず毎日を過ごしていたが、

毎朝仕事の準備をしながら見ているテレビで、たまにパンダの赤ちゃんの成長具合がニュースで流れてくる。

 

ああ、あの子か。

大きくなってきたな。

平和なニュースだな。

 

なんとなく流し見していたけど、

 

パンダの赤ちゃんが毎度黄色いメジャーで体長を計測される光景や、

 

生後2ヶ月くらいになってモソモソと動き始めるブタみたいな顔の小さいパンダの姿に、

 

だんだんと

 

こやつ、可愛いのでは。

という感情が芽生えてくる。

 

上野動物園の公式Twitterをフォローしてみる。

 

そのうち、名前が決まったと報道される。

 

シャンシャン。

 

香香

 

花ひらくように育ち、みんなに愛され、

未来を明るく照らすパンダになってほしいという願いが込められた名前。

 

シャンシャン…。

 

いいお名前ですね。

 

おかあさんパンダのシンシンにまとわりついては、足蹴にされるシャンシャン。

 

木に登ろうとして、登れずにダラリと崩れ落ちる。

 

ちょっとずつ木登りも上手になって、

少し高い場所に登れるようになり

登ってはボテと落ちるおてんばな姿。

 

シャンシャン…。。。

 

可愛い…。。。。。

 

そのうちパンダライブカメラなるものが、

上野動物園の公式サイトで公開される。

(現在は公開されてない)

 

パンダ舎を映す何台かの固定カメラ映像を、ライブ配信しているのだ。

 

仕事の休憩の合間に、パンダライブカメラをチェックするようになってしまう。

 

カメラを切り替えては、シャンシャンが写っている角度を探す。

 

あ、いた。寝てる…。

 

あ、歩いてる…。

 

シャンシャン…。

 

この頃のシャンシャンは体毛が真っピンクで、

コロコロしててめちゃくちゃに可愛かった。

 

何でピンクなのか調べたら、

諸説あったが、

「母親に舐められた唾液の影響で赤みを帯びる」という情報が有力なようだった。

 

え、、

あんなにピンクになっちゃって…。

シンシンに愛された結果があの赤みなの…。

 

愛情の塊なの…。

シャンシャン…。

 

12月頃、シャンシャンの公開日が発表される。

 

抽選で当たれば見に行けるらしい。

 

応募してみようかな、とサイトを覗いてみるも、

サイト自体が激重になっており、

応募することすら困難な状況。

 

ネットに張り付き、やっと応募しては落選の繰り返し。

 

同時期に職場の上司も応募していて、

お互いに落選の報告をしあう。

 

私はどうしても生のシャンシャンに会いたくなっていた。

 

そうこうしている間に抽選制が緩和され、

先着順で上野動物園内で配られる整理券をゲットすればシャンシャンに会えるというシステムに変わった。

 

2018年の2月、私は休日に思い立って早起きをして、

一人で上野動物園に向かった。

 

入園ゲートまでも物凄い長蛇の列。

整理券もらえるかな…。

不安になる。

 

小一時間ほど経っただろうか、

やっとチケットを購入して小走りで園内に入る。

 

無事に整理券を受け取って、

割り振られた時刻にシャンシャンの待機列に並ぶ。

 

警備員さんがお客さん20人ずつくらいをポールで仕切り、

ポールで区切られたグループごとに列を進む。

 

前の方から歓声があがる。

 

警備員さんの声が響く。

 

もうすぐシャンシャンですよ、

列をくずさずにお願いします、

立ち止まらずにお願いします、、、

 

 

 

 

やっとシャンシャンの部屋の前にたどり着く。

心臓が爆発しそう。

 

見えてきたシャンシャンは、

 

Twitterやニュースで何度も見た、

あのY字の木に挟まって眠っていた。

 

 

 

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シャンシャンだ…!!!

 

本物のシャンシャンだ…!!!!!!!

 

 

 

膝がガクガクと震えて、

涙が出てくる。

 

微動だにしないシャンシャンをiPhoneで撮影しながら、

「シャンシャン…!!!」

と声にならない声が出た。

 

 

 

 

 

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(シンシンが部屋に入ってきた。

親子ツーショット…!!)

 

 

私たちグループの観覧はここで終了。

この間、約30秒。

 

 

 

 

私は震える足で、

そのまま年パスを購入した。

 

 

 

 

 

 

休みのたびに一人で上野動物園に行った。

時には2日続けて行くこともあった。

 

シャンシャンを見るついでに、

オグロプレーリードッグニホンザルを見るのも楽しみになっていた。

 

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上野動物園は、一人で行っても全然楽しめる場所だった。

 

ぐるりと適当にまわっていろんな動物を見ながらお散歩するのが楽しい。

猿ってこんなにいろんな種類がいるんだ。

 

シャンシャン以外にも色んな動物の赤ちゃんが産まれていたりする。

 

売店でグッズを見るのも良い。

シャンシャンをモデルにした可愛いパンダグッズも豊富で、つい毎回なにかしら買ってしまう。

 

何箇所かあるレストランでの食事もおいしい。

シャンシャンのマークがついたご飯やスイーツを食べたり。

たまに東園と西園を結ぶ電車に乗ってみたり(現在、電車の運営は終了している)。

 

 

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シャンシャンのおかげで、

私は動物園が好きになっていた。

 

暇さえあれば動物園に行くのが楽しみになっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今年4歳になったシャンシャンはもうピンクじゃないし、

大きくなってかなり大人に近づいてきている。

 

いつか中国に帰ってしまうらしい。

 

 

大きくなって大人になって、ピンクじゃなくなって、木登りもあまりしなくなったけど、

 

シャンシャンはいつだって

小さい頃と変わらないまんまるの可愛い顔で、

呑気に竹を食べたりゴロゴロしてる。

 

中国に帰っても、元気でのんびり幸せに過ごしてほしい。

 

 

いつのまにか大好きになっていた特別なパンダ、シャンシャン。

 

 

 

動物園の楽しさを教えてくれてありがとう。

また会いに行くね。

カバンにガムをつけられた。

気がついたらカバンにガムがこびりついていた。

 

底のほうじゃなくて、リュックの表のところ。

 

 

 

 

 

 

誰かにつけられた。

 

 

 

 

 

 

他人のカバンにガムをつける状況そして心理ってなんでしょうか。

 

 

1.イライラしてて八つ当たりしたくなった。

 

2.自分が咀嚼したガムを他人の持ち物につけることに興奮した。

 

3.噛んでいたガムが口からこぼれてくっついてしまった。

 

 

 

なんだっていいけど、

 

このマスク社会で?

 

口からガムを取り出し?

 

他人のカバンにくっつける?

 

道端で?電車の中で?

 

 

 

至難の業な気がする。

 

 

現場の目撃者がいたとしたら、

たいそうキショかったことでしょう。

 

 

 

 

 

私も毎日イライラして過ごしている。

 

狭い道を爆速で駆け抜ける自転車に。

 

電車内で貧乏ゆすりしてるおじさんに。

 

食堂の席で食事している横で歯間ブラシをし始めるおばさんに。

 

そして呪いをかける。

 

このあとウンチ踏みますように。

 

靴の中に小石が入り込みますように。

 

口内炎ができますように。

 

 

 

 

 

 

 

 

私も知らず知らずに誰かを不愉快にさせて、

誰かからガムをつけられる呪いをかけられてしまったのかもしれない。

 

 

 

 

でも私は他人にガムをつけたりはしない。

 

 

 

 

 

ガムをつけた奴にまた呪いをかける。

 

 

 

 

 

あいつのカバンにガムがつきますように。